
10歳代以下
朝、「立ちくらみがする」、「フラフラする」と訴えたりしませんか?また、寝起きが悪かったり、イライラしたり、元気がなかったり、乗り物に酔いやすかったり・・・その様な症状が見られたら、起立性調節障害かもしれません。これは、10歳代によくある症状で、血圧をあげる機能がうまく働かないことが原因の一つと考えられています。
治療法としては、早寝早起きを習慣づけて生活のリズムを正します。また、血圧を高めるために塩分をきちんととったり、血液量を増やすために水分をしっかりとったりします。脚を圧迫するソックスをはき、血流をよくするのもいいでしょう。
20歳代~30歳代
若い人達のあいだにも、高血圧症の人が増えているといわれます。スナック菓子やファストフードを食べる機会が増えた事が原因とか。
予防には、こうした食生活を改めます。例えば、ラーメンなどは、スープを残したり、味付けは香辛料や酢などを使って塩分を減らします。
アメリカでは、ダッシュ(DASH)食が高血圧症対策に成果をあげています。塩分を排出する働きのあるカリウムを多く含む野菜や果物をとって、脂肪を控えるという食事です。ただし、糖尿病の人は果物の取りすぎに、腎臓の悪い人はカリウムの取りすぎに注意が必要です。
40歳代~60歳代
脳出血などは、排便中や入浴中での発症が多いといわれます。その原因は、温かい部屋から寒いトイレや浴室へ移動し、血圧が急変するからです。特に冬の季節は、トイレでのいきみ、飲酒、喫煙などが発作の引き金となることもあります。
高血圧の人は、血圧が急変しやすいため、飲酒や禁煙を控え、また、便秘気味の人は、かかりつけ医に相談しましょう。
脳出血は、50歳代の人にも増えています。頭にいつもと違う痛みなどを感じたら、すみやかに病院へ。
70歳代以上
高齢者の血圧の特徴は、最高血圧が高いことがあげられます。それは自律神経の機能が低下し、血管がうまく収縮や拡張ができなるなるからです。また、動脈硬化が進んでいる場合は、夜間高血圧にもなります。これは、健康なら低くなる夜間や就寝にも中の血圧が、高いままになっている状態です。また、早朝高血圧など、早朝に血圧が高くなるケースも見られます。こうした状態を放置していると、脳卒中や心臓病などの危険性が高まってしまいます。血圧は病院などで測定するだけでなく、家庭でも測るようにして、隠れ高血圧を見落とさないようにしましょう。
こんな時に血圧は急に上がります。
しゃがみ込む時
急にしゃがみ込むと、血圧が上がります。しゃがみ込むことにより、ももの部分と膝から下の部分(大腿部と下腿部)がお互いに圧迫される事で、末梢血管の血管抵抗が上昇すると共に、下肢の筋肉が緊張する事によって交感神経も緊張するため、ノルアドレナリン(血圧を上昇させるホルモン)が分泌されるためです。
排尿、排便時
排尿、排便中は血圧が上がります。排尿を我慢し続けると血圧が上がるため、排尿後、急激に血圧が下がり失神してしまう場合もあるので注意が必要です。その他、急に立ち上がる動作も血圧上昇の要因になるため、排尿、排泄の後はゆっくり立ち上がる様に心がけてください。
入浴時
入浴はリラックス効果から血圧を下げる作用がありますが、汗をかくため、体の水分が不足し、血液がドロドロ状態になり血管が詰まり易くなることがあります。また動脈硬化で心臓の血管が狭くなっていると、心筋の酸素不足が起こり、狭心症を起こす可能性もあるので注意が必要です。
・脱衣所と浴室の温度を20~25度にする。(温度差を作らない)
・湯加減は38~41度にする。(熱くし過ぎない)
・入浴時間は15~20分にする。(長湯をしない)
・入浴前にコップ一杯の水分を補給する。